12条点検の点検項目
12条点検とは特定建築物・建築設備・防火設備・昇降機の点検種別に分けられます。
点検の種別 | 検査項目数 | 検査項目 |
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①特定建築物 | 5項目 | ・ 敷地および地盤 ・ 建物外部 ・ 屋上および屋根 ・ 建物内部 ・ 避難施設 ・ 非常用進入口など |
②建築設備 | 4項目 | ・ 給排水設備 ・ 換気設備 ・ 非常照明設備 ・ 排煙設備 |
③防火設備 | 4項目 | ・ 防火扉 ・ 防火シャッター ・ 耐火クロススクリーン ・ ドレンチャー その他の水幕を形成する防火設備 |
④昇降機 | 4項目 | ・ エレベーター ・ エスカレーター ・ 小荷物専用昇降機 ・ 遊戯施設等 |
①特定建築物の定期検査
特定建築物についての定期検査は、以下の5つの項目について実施します。
調査方法は ・ 目視 ・設計図の確認・巻尺による測定 ・テストハンマーによる打診などを適宜行います。
検査項目 | 検査内容 |
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敷地および地盤 | → 建物周辺に陥没がないか、地盤沈下による傾斜などはないか → 排水管が詰っていないか、汚水があふたり悪臭を発するなど衛生上問題がないか → 道路までの避難通路が確保されているか、避難通路上に障害物がないか → ブロック塀やコンクリート塀の構造に、ひび割れや傾斜が生じていないか → 擁壁などに著しい傾斜やひび割れがないか → 屋外機器本体(配電塔や電力等引込柱、外灯など)に、著しい錆や腐食が発生していないか |
建物外部 | → 基礎部分に地盤沈下に伴うひび割れなどがないか → 地盤沈下により土台(木造に限る)が劣化し、危険ではないか → 外壁(躯体など)の目地モルタルに著しい欠落がないか、ブロック積みがずれたり崩れたりしていないか、鋼材に著しい錆や腐食などがないか◎外壁タイルなどに著しいひび割れや浮き、剥落などがないか → 窓サッシなどが腐食や緩みにより変形していないか |
屋上および屋根 | → 屋上にひび割れや反りあがりがないか、歩行上の危険はないか、伸縮目地材が欠落して部分的に植物が繁茂していないか → 屋上まわりに著しいひび割れや剥落がないか → 屋根ふき材に割れがないか、緊結金物に錆など著しい腐食がないか → 高架水槽などの機器本体に著しく錆が発生していないか、接合部に錆が発生してぐらついていないか |
建物内部 | → 内壁躯体に割れやズレ、著しい錆や腐食がないか◎床躯体に割れやズレ、著しい錆や腐食がないか → 天井の部材・仕上材に浮きなどの劣化・損傷や剥落がないか → 照明器具などに著しい錆・腐食やゆるみ、変形などがないか、地震などで落下しないか◎居室内で採光の妨げとなる物などが放置されていないか → 換気設備が作動しているか |
避難施設・非常用侵入口など | → 避難の支障となる物が放置されていないか、避難経路の幅員が確保されているか、扉の開閉に支障はないか → 手すり本体に著しい錆や腐食が発生してないか、避難バルコニーの足元が腐食しグラついていないか → 階段の通行に支障となる障害物が置かれていないか、可燃物が集積されて放置されていないか → 排煙設備が正常に作動するか、防煙垂れ壁に亀裂・破損や変形などがないか |
②建築設備の定期検査
特定建築物についての定期検査は、4つの項目について実施します。
調査方法は、・目視・触診・設計図の確認・巻尺による測定・機器の動作確認・温度計などによる測定などを適宜行います。
検査項目 | 検査内容 |
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給排水設備 | <給水設備> → 受水槽や高架水槽、加圧給水配管の設置場所が適正か、運転の異常、腐食・漏れなどはないか <排水設備> → 汚水槽や排水管などの設置場所が適正か、運転の異常、腐食・漏れなどはないか |
換気設備 | → 給排気口の設置位置や取り付け状況に問題はないか → 各室の換気状況は基準に適っているか → 空調設備に問題はないか → 換気フードなどの換気状態や運転に異常はないか → 防火ダンパーの作動に問題はないか |
非常照明設備 | → 非常用の照明器具は適切に取り付けられているか、正常に作動するか → 誘導灯や非常用照明の専用電気回路は確保されているか |
排煙設備 | → 排煙機の作動に問題はないか → 排煙口の位置や取り付け状況に問題はないか、排煙を妨げる障害物などはないか → 排煙風道に劣化や損傷はないか、近くに可燃物や電線がないか → 排気風量は十分か |
③防火設備の定期検査
防火設備についての定期検査は、4つの項目について実施します。調査方法は、
・ 目視 ・ 触診 ・ 設計図の確認 ・ 巻尺やストップウォッチによる測定 ・ 機器の動作確認 ・ 煙感知器や熱感知器
などを使って設備の動作確認などを適宜行います。
検査項目 | 検査内容 |
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防火扉 | → 防火扉周辺に障害となる物が放置されていないか → 扉の取り付け状況は問題ないか、劣化や損傷はないか、正常に動くか → 危険防止装置は正しく作動するか、閉鎖スピードや閉まる時の力に問題はないか |
防火シャッター | → シャッター周辺に障害となる物が放置されていないか → 駆動装置に問題はないか、各部品に劣化や損傷はないか → 危険防止装置の連動中継機の配線に問題はないか、予備電源には劣化、損傷や容量不足がないか → 煙感知器や熱感知器の設置位置に問題はないか、正常に作動するか |
耐火クロススクリーン | → 設置場所の周囲に障害となる物が放置されていないか → 駆動装置に劣化や損傷はないか◎カーテン部やガイドレールなどに劣化や損傷はないか → 危険防止装置の連動中継機の配線に問題はないか、予備電源には劣化、損傷や容量不足がないか → 煙感知器や熱感知器の設置位置に問題はないか、正常に作動するか |
ドレンチャーその他の水幕を形成する防火設備 | → ドレンチャー付近に障害となる物が放置されていないか → 散水ヘッド、開閉弁、排水設備に問題はないか → 貯水槽は劣化や損傷していないか、水質や水量に問題はないか |
④昇降機の定期検査
昇降機についての定期検査は、4つの項目について実施します。調査方法は、
・目視 ・ 触診 ・ 聴診 ・ 測定 ・ 機器の動作確認などを適宜行います。
検査項目 | 検査内容 |
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エレベーター エスカレーター 小荷物専用昇降機 遊戯施設等 | → 機関室の通路、階段、戸の施錠、室内などに問題がないか → 制御器は正常に作動するか → 階床選択機、巻上げ機、ブレーキなどは正常に作動するか → 電動発電機に異常はないか◎速度は適切か → 降下防止装置の設置や作動に問題はないか → かごの設置、構造、ドア、操作盤、操縦機などに問題はないか |